Ferran Fages - Radi d’Or (another timbre)
Performed by the Ferran Fages Ensemble
Olga Ábalos - flute & alto saxophone
Lali Barriere - sinewaves
Tom Chant - soprano and tenor saxophones
Ferran Fages - acoustic guitar
Pilar Subirá - percussion
序盤はアコースティックな即興による静かな鳴き交わし合いが展開され、その後は徐々に電子的な持続音が覆い被さるかのようにサウンド全体を支配していく。
長尺の楽曲でこそ再現できるサウンドスケープであり、抑制されたテンションの下で徐々に表情を変えていく音色と構成が印象的。
Ferran FagesはCreative Sourcesといったanother timbreと同系列の実験音楽のレーベルからもいくつかの作品をリリースしており、そのうちの多くが他ミュージシャンとの共作であるが、今作はソロ名義であり、彼が中心となったメンバーでの演奏になっている点も興味深い。
エレクトロなミニマムミュージックに留まらず、アコースティックなサウンドで構築されている点がanother timbreらしく、この視点とアプローチが現代の音楽シーンにおいて貴重。
穏やかに巻いていく渦の焦点が徐々に絞られていくかのような五重奏。